先日、グローバル企業の人事とお会いする機会があり、人事部は、どのような機能を持つべきかの考えを聞き実に興味深かった。
重視していることは、事業に寄り添い、事業のパフォーマンスを高めるための戦略立案と実行ができる人事を目指す。
人事は事業、ビジネスリーダーにとって信頼できるアドバイザーとしての役割が求められている。事業トップの右腕としてその問題意識を共有し、従業員と向き合い、彼らの成長と問題解決を支援する。
具体的には、人事は4つの主たる機能を持つ。一つは採用、処遇制度、能力開発等の個別課題の専門チーム、二つ目は給与計算、入退者管理等のオペレーションチーム、三つ目は組織風土、経営理念の浸透、経営幹部の育成などの全社的に推進する組織開発チーム。四つ目が各事業部の成長戦略を人材面から支えるビジネスパートナー(BP)。このBPを一つ目から三つ目の機能が支援する。大事なのは、事業戦略が明確か否かで人事が機能することと、グローバル化の中で従来の現地法人での切り離された運用でなくダイバーシティを巧みにマネジメントする企業が生き残っていくと推測できる。「事業とそこで働く人を支援する人事」を基盤とすることが重要である。次回は具体的な事例の紹介をさせていただく。
文/島崎淳 (Jun Shimazaki)