先日の日経新聞の転職意識調査に20代から50代のビジネスパーソンを対象とした調査で、全体では転職希望者は、38%だった。転職理由は男性に「給与水準」が多いのに対し、女性は「職場の人間関係」をあげる人が多かった。20代男性で「転職を検討している」と回答したのは、51%。30、40代は約40%で、50代は27%だった。
転職の際の条件として重視するのは、「給与水準」が75%で最も多く、「仕事のやりがい」(56%)、「会社の将来性」(39%)が続いた。特に30、40代男性は給与水準との回答が8割を超えた。女性は「福利厚生」をあげる人の割合が多かった。全体では25%だったのに対し、20代女性の42%を筆頭に、30代が36%だった。女性が転職を考える際、出産・育児をしながら、働きやすい条件が整っているかどうかが、重要になっているようだ。
7月の有効求人倍率1.1から増々人材不足傾向の波が我々ファッション業界にも押し寄せてきている。業界では人材の維持・確保が重点課題であり、特に女性は、データにもあるように、働きやすい労働環境の整備が急務である。労働時間のフレキシブル化、在宅勤務化、給与水準の向上と販売職・デザイナー等の女性プロ人材の活用策が業界の将来を左右すると考えられる。女性力活用のリーディング業界として期待したい。
文/島崎淳 (Jun Shimazaki)