リクルートの調査で「5ヶ国マネージャ調査」で興味深いデータがありました。
5ヶ国とは米国、インド、中国、タイ、日本で最も顕著なデータは、日本企業の管理職の昇進年齢の高さである。
日本の課長の平均は38.6歳、部長の平均は44歳。
米国は課長34.6歳、部長37.2歳。インドは課長29.2歳、部長29.8歳。中国は課長28.5歳、部長29.8歳。タイは課長30歳、部長32歳。
日本は、インド、中国、タイの新興国より、課長は9歳程度、部長に至っては10歳以上、同じ成熟国の米国よりも、5歳程度年齢が高いのは間違いない。もう一つの特徴は課長と部長の昇進年齢のギャップ。
日本では5歳以上の差があるが、新興国群はにはほとんど差がなく、米国でも2.6歳に留まる。
日本企業の多くは職能資格制度の運用から昇進基準が「○年以上課長職を経験していること」という期間が設定されている点から、日本は欧米のように「役割」の違いととらえるのではなく、年功からの職位としてとらえている。
欧米は、「適切な人材を適切なポジションへ」という概念に、年齢は入っていない。
学歴は、日本よりMBA取得者が多く、特にインドは部長職の55%と群を抜く。
次にタイは30%。日本は1.5%と極端に低い。
相対的に「何年教育を受けたか」という意味では、日本は学歴社会ではないようだ。
年収も新興国の部長クラス、30歳代前半で10万ドル以上の年収を得る層が一定数出てきている。日本企業が現地法人で優秀な人材獲得に苦慮していると聞くが、一端はここに見える。
日本の若手で能力やポテンシャルが高い人材であればあるほど、昇進の遅さにしびれを切らし、より高い報酬他国の企業に引き抜かれてしまう可能性は否めない。
文/島崎淳 (Jun Shimazaki)