コンビニの総店舗数は5万8千店で過去20年で7割増え、総売上高は11兆円近くで9割増えた。今では生活に欠かせないインフラとなった。成長の原動力は「24時間営業」と欠品のない「店舗の品揃え」だ。
今、成長を続けてきたコンビニエンスストアが曲がり角を迎えてきている。
24時間営業に「待った」がかかった加盟店の声に続き、「値引き」の動きが出ている。従来は発注システムを背景に、強気に定価販売を柱にしてきたが揺らいできている。今秋より販売期限の迫った弁当、おにぎりを購入した顧客にポイント5%程度を還元する。弁当など「値引き」により廃棄が減り、オーナーへの廃棄損失負担は緩和する。この食品廃棄は環境問題としても社会に取り上げられる。
このように強みである「24時間営業」「店舗の品揃え」「定価販売」とコンビニ本部とオーナーとの力関係が変わってきている。
働き方改革からも「家族との食事がまともに取れないコンビニオーナーの犠牲を強いてまで便利さを求められない」と考える消費者が増えている。
小売業は割安な販売労働力に依存し、規模拡大により収益の拡大を目指してきたが、人口減時代に突入し従来の成長モデルは通用しない。
新しい小売り事業モデルの時代に来ているのでは。
文/島崎淳 (Jun Shimazaki)