前述のBPが支援する相手は、事業責任者と常に向かい合う。
影響力を発揮するには、事業に対する深い理解や状況を正しく把握し、意味ある助言ができる高い見識が必要である。
経営会議には、常に参加して事業の実情や予算と実績の推移、競業や市場の動向まで認識している。
例えば新たな営業拠点の組織、採用計画、必要スキル、処遇水準などの条件を整え、それを受けて採用、処遇の実行チームが担う。まるで官房長官の機能である。
このBP人材をどのように育てるのか。
求められるスキルから人事経験からだけでは育ちにくい点にある。
事業を支援し高いパフォーマンスを上げることに寄与するために、事業の儲けの構造に対する深い知識が求められる。
どちらかというと人事部外の営業、エンジニア等のビジネスサイドにいた人材から異動させるのが現実的のようである。
経営トップの官房長官として事業の成長を支える組織と人材育成のグローバル戦略パートナとしての新たな人事の役割が進化しているようである。
今後人事のキャリアを採用、教育、制度設計等のスペシャルストを目指すか、事業経験を通じ経営視点を備えたBPとしてのゼネラル職を目指すかと新たなキャリア選択があると考える。
文/島崎淳 (Jun Shimazaki)