今年は物価上昇に伴う賃金上昇が期待できる年になりそうだ。
一方、賃金上昇に必要な労働生産性が欧米と比べどこまで上げられるかが課題である。人材への教育投資が不十分であり、そこから人材の生産性、流動性に影響を与えていたことが要因として考えられる。日本全体で流動性が高まれば、優秀な人を獲得し、必要な人に残ってもらうためにふさわしい報酬を提示しなければならなくなる。
この流動性対策として転職が珍しくなくなり専門人材の不足も強まるなか、元社員の再雇用や協業に繋げる契約推進が増えている。
中途退職した「元社員」とオンラインでつながり事業の状況、社内の募集ポスト等の情報を配信する。終身雇用が一般的な日本企業では従来、中途退職者は古巣との関係が途絶することが多かった。デジタル人材、専門性人材の不足が深刻化する企業では即戦力として「元社員」に注目し始めているようだ。
文/島崎淳 (Jun Shimazaki)