総務省が2021年10月1日時点の労働の中心的担い手となる15~64歳の生産年齢人口を公表し、総人口の59.4%の割合となった。統計を始めた1950年以来最低の数字である。
生産年齢人口が58万4000人減り7450万4000人となった理由の一つは「コロナ鎖国」による外国人労働者の流入減である。外国人人口は272万2000人で2万5000人減った。うち生産年齢人口は85%を占める。労働力の落ち込みを外国人労働者で補えていない。
業種別では製造業が前比3.4%減、小売業が1.3%減と落ち込み幅大きかった。外国人を含む総人口は10年前より233万2000人減った。少子高齢化も鮮明で、15歳未満の人口は全体の11.8%と過去最少の1478万4000人でコロナ禍の影響や少子高齢化の自然減が重なり東京都は26年ぶりに人口減少となった。増加は沖縄のみ。
このように全体の人口縮小が進む中、相対的に外国人の労働力の重要性は増している。今後、水際対策を緩め、受け入れ人数の拡大や入国手続きの簡素化、安心して働ける環境整備などの課題は多い。労働鎖国日本もいよいよ開国に向け進化していく時代に来たようである。
文/島崎淳 (Jun Shimazaki)