今、人的資本経営への関心が高まる一方で、研修費用や研修時間の情報開示をしている企業が少ないようである。
日経225銘柄のうち、研修費用を開示したのは40社で全体の18%、研修時間を開示したのは55社で全体の25%にとどまる。
積極姿勢が目立つのは、住友化学で、21年度一人当たり教育投資額は34万、一人当たり教育時間は137時間がトップクラス。
職場内訓練(OJT)中心の日本企業の人材投資水準は主要国の中では低い水準。国民総生産(GDP)比では米国やドイツの半分以下でデジタルトランスフォーメーション(DX)の遅れが労働生産性の低迷要因となっている。
今後、人材を企業の成長の源泉とみなす人的資本経営や働き手のリスキリング(学び直し)の重要性が高まる。投資家も教育関連情報は投資情報として厳しい目を向けるであろう。
文/島崎淳 (Jun Shimazaki)