最低賃金3%上昇

- コンサルタントの独り言 -
2021年11月01日

2021年の最低賃金が全国平均で28円引き上げて時給930円となった。
引き上げ額は過去最大で上げ幅3.1%だった。

最高額の東京は1041円、最低額の秋田や高知は820円になる。
ただ日本の最低賃金は主要先進国の中では水準の低さが際立っている。
フランスと英国が1302円、ドイツが1206円、米国は1060円。

最低賃金の上昇は財政支出なく格差是正対策ができ、世論の受けもよく政治的に好まれるが、支払う賃金と労働者が生み出す付加価値(生産性)のバランスが適切でないと持続的ではなくなる。

企業は今後デジタルトランスフォーメーション(DX)による生産性向上にカジを切り、対応できる作業は自動化し、より付加価値の高い仕事にシフトしていく重要度が増す。

具体的に家電業界は電子値札を導入し値札交換の手間を削減。電子産業は社員にクラウドや人工知能(AI)の研修を実施し、成長分野の医療関連への配置転換を進め付加価値向上の人材育成を図る。

一方、最低賃金の引き上げは中小企業にしわ寄せがいきかねず、政策面の配慮が必要である。人口減が進む中、いかに働き手の生み出す価値を高めていくかの政策を各党より聞きたいものである。

文/島崎淳 (Jun Shimazaki)