美容室難民が増える

- コンサルタントの独り言 -
2025年02月01日

街を歩いて感じるのが、美容室が多いのが目につく。
2023年で約27万4000店が存在し、コンビニエンスストアの5倍規模だ。

この10年で約4万店増えている。過剰出店の原因は、独立して出店しない限り、美容師の収入増や働き方の自由度向上が見込めない業界。
待遇改善で優秀な人材を引き止める動きは一部にはあるが、独立志向は衰えない様である。

一方でサービスの質低下を指摘する声も広がる。通っていた美容室を辞めた理由は、「転居」以外は、「担当者が辞めた」「担当者の技術や提案がよくない」が上位だ。美容サービスは「質」が求められる傾向が強い。単純に店舗数が増えるだけでは消費者のニーズは満たされない。

また、若手美容師の減少の影響も大きい。23年度で新規美容師免許登録は1万8000件とピークの2000年の6割強にとどまる。1店舗で採用・確保できる美容師の数が減り、新人育成にも時間を割けない。

リクルート調査で新卒の37%が3年未満で離職している。商工リサーチによると24年1~6月の倒産は61件で過去最多。要因は「人材不足」「美容資材の高騰」で倒産傾向は大都市に集中するが、地方は後継者不足により美容室の存続自体も危惧されている。

このように価格に見合うサービスを探し求める「美容室難民」が一段と増え続ける。

文/島崎淳 (Jun Shimazaki)