若者の時給アップの購買力に期待

- コンサルタントの独り言 -
2024年09月01日

学生の娯楽にかける費用が「学生生活実態調査」からバブル期並みの水準に回復したようである。

親からの仕送りは3割減ったが、高騰するアルバイト代で稼ぎ、その分を趣味に充てる自給自足の若者像が浮かぶ。

学生の「教養娯楽費」は2023年は月1万2900円。ピークの1992年1万3400と同水準になった。90年代後半から急減し、リーマンショック後に底打ちした後、新型コロナ後近年は回復が著しい。

また、博報堂生活総研の調査によると、現在お金をかけているものとして「車」を挙げた20代は92年に28%。2022年は8%に減少した。バブル期の若者は車やブランドを購入する「モノ」消費が主流だが、令和は参加型イベント等「トキ消費」のリアル経験を求める人が増えた。支出の中心を占める住居費は上昇しており食費は減少、衣料品・化粧品は若干減少した。収入の要の仕送りは月平均7万円で直近ピークの96年に比べ3割減。

一方のバイト代は90年は時給700~800円ほどだったが23年は1100~1200円ほどに上昇し、バイト収入は月3万6千円と90年代から1万円近く増加。今の学生はなお将来への不安がある中、高価なものは身に着けず、自分が納得できるかどうかを重視し身の丈の消費で心を満たせるものを探している。これから彼らの「トキ消費」のその時しか味わえない盛り上がり購買行動に注目をしたい。

文/島崎淳 (Jun Shimazaki)