英国の伝統的なスタイルに、独特のウィットやスパイスを加えたコレクションが人気のポール・スミス。洋服だけではなく財布やバッグなどの雑貨も日本でも人気です。
今回はポール・スミスがどんなブランドなのかを見てみましょう。
1.ポール・スミスの歴史
ポール・スミスは1946年にイギリスのノッティンガムに生まれました。彼は15歳の時には学校を自主退学してレーサーを目指しますが、事故に遭って重傷を負い、レーサーの道を断念します。
退院後は進路を断たれてなすすべもなくパブに出入りしますが、そこでアートスクールの学生たちと仲良くなり、アートに心を奪われます。そこでアートに関わる様々な仕事の仲介役を自分の仕事にすることを17歳の時に決意します。
その仕事ではシャツの工場を探したり、生産に関わったり、ファッションの仕事を実際に体験して身につけます。
1970年、24歳になったポール・スミスはポール・スミス・リミテッドを設立します。初めての店をノッティンガムにオープンします。その後4年間で専門的なデザインワークやビジネスについて、実際の仕事の中から学び、ロンドンのファッション業界でその仕事ぶりが噂されるほどとなりました。1976年には初めて自身のコレクション・ショーを開き、翌年からは毎年パリで展示会を開くほどになります。
1979年、33歳の時に念願だったロンドンの市内にショップをオープンします。もともと野菜市場だったコベントガーデンの廃墟に目を付けます。資金力のなかった彼はお金を借りてオーナーを熱心に説得。最終的にはオーナーも根負けして彼にお金を貸して安く土地を譲ってくれました。
その後ビジネスは成功し、コベントガーデンのショップは10年で4店が並ぶ店に成長しました。また、ロンドンのみならず、ニューヨークやパリ、東京など世界中に店を次々にオープンさせて大成功。現在に至ります。
こうした実績は国家に大きく寄与した事と評価され、2000年にはエリザベス女王からデザインの勲功により、ナイト爵位(SIR) の称号を授与されました。
2.ポール・スミスのライン
ポール・スミスにはメンズ、ウィメンズ、子供服などのラインがあります。
主なものを見てみましょう。
・ Paul Smith(メンズ、レディース)
メインラインであり、メンズはパリコレクション、ウィメンズはロンドンのコレクションで発表されます。メンズ・レディース共にイタリア製が多いなか、精密な縫製などは日本で行われているものもあります。
・ Paul Smith COLLECTION
日本限定のメンズのプレステージラインです。ハイクオリティ、ハンドメイドフィーリング、アーティスティックフィーリングの3つのコンセプトがあり、ラグジュアリーなメンズウェアを展開しています。日本での縫製が中心です。
・Paul Smith LONDON
ビジネススーツを中心としたメンズのライン。確かなテーラリングの技術と遊び心のあるデザインが人気です。日本人特有の体型に合わせて作られたフィットのスーツが人気。
・Paul Smith BLACK
ビジネスシーンでの装いをコンセプトにしたウィメンズのブランドです。
プリントのワンピースやスーツ、通勤用のコートなどが人気です。
・Paul Smith JEANS
ジーンズを中心としたカジュアルウェアのライン。ジーンズはもちろん、リュックなどのカバンや靴なども人気です。
・RED EAR
日本製の高品質なこだわりのジーンズを中心にしたライン。素材やディティールにこだわりを持った高級ジーンズが揃っています。ネーミングはポール・スミスのブランドアイコンであるウサギの耳から由来しています。
・Paul Smith JUNIOR(ボーイズ、ガールズ)
ポール・スミスの子供服のライン。華やかなプリントと鮮やかな色にあふれた子供服です。可愛いプリントやパターンのTシャツや鮮やかな色目のトップス、ボトムスなどが人気です。
・R.NEWBOLD
ポール・スミスがディレクションするカジュアルブランド。イギリスの音楽、カルチャー、ストリートの感覚を取り入れたラインです。R.NEWBOLDとは、もともとイギリスのポール・スミスの服を縫製している工場でしたが、廃業した際にポール・スミスが買い取ってブランド化しました。街中で着られるカジュアル服で、スウェットパンツやスニーカー、先染めのシャツなどが人気です。
3.人気アイテム
服以外にも、ポール・スミスの雑貨は日本でとても人気があります。特に財布やカードケースはカラフルな色使いと丈夫なレザーでギフトにもとても人気のアイテム。表のレザーは使いやすいベーシックカラーのブラウンで、内側が綺麗なブルーなどポール・スミスらしいカラーへのこだわりが人気の秘密です。通勤用の鞄も人気アイテムの一つです。上質なレザーを使用し、シンプルながらも使いやすい仕様が好評です。
また、時計も人気があり、シンプルなデザインの中にもひねりのあるディティールや色目が効いています。少し高めのアイテムもありますが、従業員として働くと社員割引が適用されることもあって安く買えるかもしれませんね。
4.店舗情報
ポール・スミスのショップは全国に多く展開されています。東京の主な店舗を見てみましょう。
・ポール・スミス コレクション 青山店 東京都港区南青山6-3-10
・ポール・スミス スペース 東京都渋谷区神宮前5-46-14
・ポール・スミス ジーンズ 代官山店 東京都渋谷区猿楽町19-4 CUBE代官山B棟1F
・ポール・スミス 渋谷店 東京都渋谷区神宮前6-18-13
・ポール・スミス 丸の内店 東京都千代田区丸の内3-3-1 新東京ビル1F
・ポール・スミス ジーンズショップ 東京都渋谷区神宮前5-17-5
・ポール バイ ポール・スミス 代官山店 東京都渋谷区猿楽町26-13