アパレルショップと言えば、素敵なお洋服や雑貨に囲まれた華やかな職場。働くスタッフのファッショナブルで素敵な着こなしに憧れを持つ方も多いのではないでしょうか。反面、女性の多い職場ならではの人間関係に不安を感じることもあるかもしれません。実際のところはどうなのでしょうか。
アパレルショップの人間関係
アパレルショップの人間関係の実際を知るには、現場でどのような業務が行われているかを知ることが大切です。アパレルショップでの仕事内容をイメージしてみましょう。
営業時間内のショップでは、当然ながら接客、販売が主な仕事です。お客様の少ない時間帯には、初めてのお客様のご希望をゆっくりと伺ったり、気心の知れたお得意様との会話を楽しんだりできます。しかし、忙しい時間帯となれば複数のお客様のお話を並行して伺いながら、必要な商品を用意するために店内や倉庫を走り回り、お直しを承り、商品を包んで会計を済ませつつ、他店からの電話問い合わせにも答える・・・などフル回転。当然、複数のスタッフで連携してあたる必要があるため、常に他のスタッフの動きに気を配っている必要があります。
営業時間外にも重要な仕事が待っています。商品の片付けや補充、販売戦略やプロモーションにあわせた商品の入荷や入れ替え、店内のレイアウト替え、ディスプレイの更新、定期的に行われる棚卸しのほか、セール時期ともなれば山のように入荷する商品と格闘することになります。お客様をもてなすショップの舞台裏では力仕事も多く、ここでもスタッフたちのチームプレイが欠かせません。
ブランドのコンセプトやイメージ、季節ごとの戦略を考えることは本社の仕事ですが、店舗によって異なる地域の特性やお客様の声は、そのショップで働くスタッフが最も理解しています。それはデータだけを見ている本社スタッフには紐解くことのできない重要な情報です。ひとりひとりが接客を通して得た情報を他のスタッフと共有し、それをもとにお客様の顔を想像しながら店舗作りを行うことがその店を魅力的にします。また、情報を本社にフィードバックをすることで商品開発に役立てることもできるのです。
アパレルショップの仕事内容をざっと見てみましたが、これだけでも、スタッフのチームワークがいかに重要であるかおわかりいただけるのではないでしょうか。
人間関係の悩み
チームで仕事をするがゆえに、どうしてもそこについてまわるのが人間関係の悩みです。相性の良くない人とでも協同しなければならない場面もありますし、ましてはそれが上司だった場合には仕事へのモチベーションも半減してしまうでしょう。ショップスタッフの間でよく聞かれる悩みをいくつかご紹介します。
-小規模な店舗のため、働くスタッフも少人数。性格の合わない人がいたらどうしたらいいでしょうか?
確かに、この状況で性格が合わない人がいるとつらいかもしれません。ただし、重要なのは仲良くなることではなく、お客様のためにどう協力できるかです。あなたが店長でないのなら、まずは目の前の仕事に精一杯取り組んでみてはいかがでしょうか。
-接客の仕方や、声がけのタイミングなどを店長に細かくチェックされる。
あなたに期待していると考えるのが良いと思います。どうしたらよかったのか店長に具体的に聞けば参考になるだけでなく、あなたの本気度も伝わります。また、自信を持ってお客様に声をかけるためには、そのための準備を欠かさないことです。商品のおすすめポイントをしっかり伝えられるようにしておくことや、洗濯の方法などアフターケアについて調べておくなど、できることはたくさんあります。こうしたことの積み重ねによって、あなたが成長していくことで、店長のチェックも自然と減っていくでしょう。
-先輩から、センスがよくないと陰口を言われた。
アパレルショップで働いている人は、ファッションが好きな人ばかりです。あなたもそうであるように、相手もそのはずですから、個性がぶつかり合うことがあるかもしれません。センスははじめからあるものではなく、経験を積んで磨かれるもの。あなた自身の成長のために、ファッションの勉強をしたり、さまざまなものに触れることで、感性を磨いていきましょう。そのうちそんな陰口はなくなるか、気にならなくなるはずです。
それぞれのこだわり
アパレルショップのスタッフは、ファッションで自分を表現するタイプの人が少なくありません。そのような人たちであれば、おのずと自己主張が強くなりがちです。自己主張の強い人が多い職場は働きづらいと思いがちですが、実は、皆がこだわりをもち、よりよい仕事を追及している、とても意識の高い環境であるとも言えるでしょう。ファッションが好き、アパレルショップで働きたいと本気で思うのなら、心配する前にまずはその世界に飛び込んでみることをおすすめします。きっとさまざまな人間関係をとおして、あなたを成長させてくれるでしょう。