転職が決まり、退職する際にしておかなければならない手続きがあります。退職先から受け取るべきもの、返却すべきもの。正しく手続きをしないと、後々面倒になるケースも。
転職に伴う、各種必要な手続きを見ていくことにしましょう。
退職手続きに必要なのは?
退職をすることになった場合、退職届を出すのは当然ですが、それ以外にも必要な手続きがいくつかあります。
まず、会社に返却すべきものがいくつかあります。たとえば、「健康保険被保険者証(保険証)」。保険料は、被保険者と勤務先の会社が折半で支払っているため、返却する必要があります。会社に提出し、会社を通して健康保険資格喪失証明書に添付し、管轄の年金事務所に返却する方法のほか、退職者本人が退職日から5日以内に郵送で返却することも可能です。
さらに、 社員証やカードキー、社章などといった身分証明書や名刺、通勤定期券、社費で購入した文具や書籍等も返却しなければなりません。また、パソコンや携帯電話等を支給されている場合は、そちらの返却も必要です。
その他にも、退職する社員に誓約書の提出を求める企業も増えています。誓約書の主な内容は、秘密保持契約や、同業種への就職の禁止である場合が多いようです。
反対に、会社から受け取っておく必要があるものも。「年金手帳」、「源泉徴収票」、「雇用保険被保険者証」、「離職票」がこれに当たります。年金手帳は手渡しで、源泉徴収票、雇用保険被保険者証、離職票は退職後に会社から最後の給与明細とともに送られてくるケースが多いようです。年金手帳は新しい勤務先に提出する必要があります。また、源泉徴収票は、確定申告をしたり、新しい勤務先で年末調整をする際に、雇用保険被保険者証と離職票は、ハローワークで手続きをする際に必要です。なお、「離職票」は雇用保険の失業給付に必要な書類であるため、転職先がすでに決まっている場合は不要です。
入社手続きに必要なのは?
次に、転職が決まり、入社することになった場合、どのような手続きが必要になるのでしょうか。
前述したように、以前の勤務先から受け取った「年金手帳」、「雇用保険被保険者証」、「源泉徴収票」を新しい勤務先に提出する必要があります。万が一、紛失してしまった場合、「年金手帳」は社会保険事務所で、「雇用保険被保険者証」はハローワークで再発行してもらうことが可能です。
また、給与所得者が、配偶者控除や扶養控除、障害者控除などを受ける際には「扶養控除等申告書」と「健康保険被扶養者異動届」も提出します。なお、「扶養控除等申告書」は扶養家族がいない人も提出しなければなりませんが、「健康保険被扶養者異動届」は扶養家族がいる場合のみ提出する書類です。
さらに、給与振込先の金融機関の口座番号なども伝える必要があります。たいていは、会社独自の書類用紙に記入することになります。
このほかにも、企業によっては、健康診断書や入社誓約書、身元保証書などを提出するように求めるケースもあるようです。
必要な書類はしっかり確保
転職に必要なおおよその手続きと書類について、紹介しました。退職時にきちんと必要書類を受け取っていないと、後日、辞めた会社に問い合わせしなければならなくなったり、公的機関との手続きに必要以上に時間がかかったりと面倒なことが起こります。転職に当たってどのような書類や手続きが必要なのか、リストアップし、把握しておきましょう。