先日の新聞記事でセブン&アイ・ホールディングの鈴木会長が「革新を生み続ける秘密は何か」との問いに世の中の変化を見続けること。増税後の今は、ディスカウントから「質」の良いモノ(サービス)をお客様は求めている。常にお客様の生活に合わせ、便利さのサービスを追求して行くことがコンビニの使命であると。セブンの宅配サービスもこの考えの一環であり、お客様とのコミュニケーションから新しい商売が生まれる。大切なのは新しい仮説を実行し、検証して、修正していくこのサイクルがセブン&アイ・ホールディングの不変の行動基準である事は誰しもが知る事と思う。
では、我々のファッション業界はファストファッションとの競争、商品開発力、コスト構造、販売人材の確保と多くの事業課題を抱えるからこそ革新力(変える意思)が強く求められる時期に来ている。状況に翻弄されて革新を生み続けるどころか、業界再編か安定した雇用が望みにくく自分を見失いそうになっている人も多いのではないでしょうか。このような時に自己のアイデンティティを確立する為の道しるべとなる言葉を紹介します。
「子曰く、君子は諸(これ)を己(おのれ)に求む。小人(せうじん)は諸を人に求む」
これは、君子は何が起きてもそれを自分の問題として反省し、改善し向上していく革新力の持ち主。一方小人は、何事も「あの人が悪い」「会社が悪い」などと他人のせいにする為、いつまでたっても自分の何が悪いかを見極め改善することができない。自分の内なる心に「他責」がないかどうか問う習慣を身につけてほしいと思う。「他責」の風土は企業そのものから革新力(変える意思)を奪いますから、やがて業績悪化へと進みます。
常に世の中の変化を見続け、お客様のニーズを聴き、「自責」の念を持って自己及び業界を革新させていく仲間であってほしい。
文/島崎淳 (Jun Shimazaki)