品質管理の仕事内容

- アパレル業界ニュース -
2014年10月29日

品質

アパレル商品の品質の番人!品質管理の仕事

品質管理はアパレル企業において商品が百貨店や専門店、アパレル企業が決めた品質管理基準に達しているか、また服の内側に着付いている品質表示のケアラベルに表示する項目(記事の素材や洗い方等)が正しく表示されるように試験、管理する仕事です。

服の素材である生地は、綿やシルク、合繊などの組成によって、また織り方や編み方によって特性が違います。素材毎に色落ちなどの問題がないかチェックしたり、生地メーカーや社内の企画担当が提出して来た生地の混率(綿95%、PU5%など)が合っているかを試験します。
またラベルに表示しなければならない項目は、家庭用品品質表示法という法律によって厳しく定められており、百貨店などに商品を納入する際にはそのデータが法律にのっとって正しく表示されている事が必須な為、品質管理はとても重要な仕事です。

品質管理の仕事詳細

まず品質管理担当者は、品質管理としてその商品が百貨店等が定めている品質管理基準に達しているか細かくチェックします。
チェック項目は生地についての部分が多くを占めます。色落ちしないか、クリーニングに耐えられるか、伸び縮みの具合はどうか、毛玉ができないか、光に対しての退色はどうか、などが挙げられます。
特に色落ちに関しては厳しく検査され、基本的に生地メーカーやブランドの企画担当が持って来たデータをもとに調査しますが、再度品質管理から試験に出したり、職場にある洗濯機で実際に商品を洗って経過をみたり、さまざまな方法を使って正しいデータを出します。

また、家庭用品質表示法にもとづいて、ケアラベルが正しく表示されるようにチェックするのも品質管理の重要な仕事の一つです。ケアラベルには生地の混率や洗濯の方法、取り扱いの注意等を記載しますが、それを一つ一つ正確に表示されるように管理するのが品質管理。消費者はそのラベルをもとにどうお手入れをするか判断するので、大変重要な情報です。
また、お客様から品質に関する質問があった場合に対応を考えるのも品質管理の仕事。クレーム対処などにも応じます。

品質管理の良い点、メリット

品質管理は日本の高い品質基準を守ってより良い商品をお客様にお届けする仕事。お客様からのお礼のメッセージを受け取る事も多く、お客様に喜んでいただくことが仕事のモチベーションにもつながる嬉しい点です。
社内の企画部と対立しなければならない事もありますが、品質を守る努力を続けていると、お客様から感謝された時の喜びはひとしおです。

メリットとしては、品質管理はアパレル業界では裏方ですが、地味な性格でもアパレルの企画において重要な部分にかかわれる点、また、アパレルの品質管理を経験すると、その後のキャリアとしては、生地屋、百貨店、検査機関、お客様センターなど多くの活躍の場があることが挙げられます。

品質管理の大変な点

品質管理は家庭用品質表示法に関わるので、とても細かく妥協のない仕事が求められます。また、品質が通らない場合に社内の企画部への説明が大変な事も。スピーディーに売れるものを生産したい企画部に対して、品質が基準に達しない商品を素材変更や生産ストップしなければならない時は一苦労。

品質管理に必要なスキル>

品質管理は法律やクオリティを守る信念と責任感と緻密さが必要です。また、社内の企画部に対して人に柔らかく説明できるコミュニケーション能力も重要。
必要な知識としては、品質表示(家庭用品品質表示法、東京都条例等)に関する知識、素材、アパレル商品に関する深い知識などが求められます。
資格としては、繊維製品品質管理士(TES)や品質管理責任者を持っていると良いでしょう。