「高齢者年齢が75歳に」

- コンサルタントの独り言 -
2019年07月02日

労働力の高齢化が顕著である。労働力人口のうち65歳以上の割合が1990
年に5.6%、2017年には12%まで上昇し、2040年には20%にまで上昇するという。政府が70歳までの雇用を促進する議論を始めている中、高齢の社員にも生産性高く働いてもらわなければ企業経営が成り立たなくなる可能性すらあり得る。年齢階層における就業率(男女)も増加傾向で現状では、60~64歳で66%、65~69歳で44%、70~74歳でも27%が就業している。
65歳以上を高齢化と呼ばれたのは、「1965年に世界保健機構(WHO)が65歳以上の人口が7%を超えた状態を高齢化社会とする見解を示した。」当時の平均寿命が男性66歳、女性72歳から欧米では社会保障政策上合理性があると見なされていたようです。当時の日本人平均寿命が63歳、女性は65歳から日本でも65歳以上という定義が受け入れられたのが50年以上の前のこと。現在でも、65~69歳の男性で3割、女性で2割が働ける健康状態で就業していない。人数にすると約300万人が潜在的労働人口。これは現在の「老齢年金の存在」が大きく影響している。高齢者の給与と年金の合計月額が28万円を超えると超過分の半額が年金から減額されるいくみが元気な高齢者であっても働き続ける意欲が削られているのも一つの要因であり、社会にとって大きな損失である。
いずれ近いうちに高齢者を75歳以上とされる時代が近づいている。

文/島崎淳 (Jun Shimazaki)