40代の転職者数が2020年度までの5年間で2倍に増え、若い世代より伸び率が大きい。即戦力となる中高年の流動化が進んでいるようである。
これは企業のリストラが背景にあり、転職サイトでの21年登録者が増えている。JT出身者は18年の3倍、ホンダは2.2倍。アパレルでは青山商事が3.7倍、三陽商会が1.2倍になった。リストラが増えても失業率上昇は目立たない。これは成長企業や変革が必要な企業が即戦力となるミドル人材を求める傾向があるようだ。
賃金も40代転職者は約10%上昇し、賃金アップの見込める年齢の境目が底上げされてきたことがミドル転職の背中を押している。また職種間の転職格差も広がりエンジニアの年収は3年前と比べ12%上昇。このように終身雇用や年功序列の慣習が崩れ転職の選択肢が広がっている。特にアパレルは業界不況から成長企業の情報収集また自身の学び直しの機会を一般より10年早く30代に入って取り組むべきであろう。
コロナ後の先が不透明な時代こそ自らの価値を高め発揮できる場を得る努力が必須であると考える。
文/島崎淳 (Jun Shimazaki)