自主性を重んじる風土に

- コンサルタントの独り言 -
2024年05月01日

今、スポーツ強豪校で「体育会系」と呼ばれる理不尽な上下関係や指導者を絶対視する風潮が見直されている。

昨夏の甲子園で107年ぶりに優勝した慶應義塾高校は高校野球では一般的な丸刈り以外の髪形も容認していることで話題を集めた。スポーツ界で過剰な選手管理には子供のスポーツ離れを招くなど負の面が大きいとみて改める指導者が増えているようだ。

滋賀の柔道強豪校は年間のスローガンから日々の練習メニューまでを決めるのは部員たち。監督は技術指導のみで練習方針には口出ししない。取り組み理由は部員が減少傾向で競技離れが進む危機感から柔道部らしくない雰囲気づくりを目指した。部員も15人から35人と倍以上に増え、新人大会で優勝も果たした。

体育会系の象徴であった長時間練習も、最近は効果に乏しいという認識が広がり減少傾向にある。高校生の部活時間が平日で「3時間未満」と回答したのが19年は49%が21年は71%。週末も「土日とも活動」と回答したのが19年が50%だったのが21年は37%だった。

このようにチーム全員が自分がやるべきことを考え、短い時間だからこそ、その分集中できている。このように一人一人の自主性を重んじ結果を残す風土が増えているようである。


文/島崎淳 (Jun Shimazaki)