2022年の全国地方公務員の自己都合退職者が2017年より46%増えた。
今、就職人気も低下し、20~30歳代が働きやすい職場づくりを進めて定着率アップを目指す。退職者は県庁職員などの行政職や教育職の増加が目立つ。都道府県では鳥取と福岡が増加率を10%未満にとどめ熊本は2.6倍、秋田は3.6倍。
福岡県は働き方改革の取り組み方針を制定。若手社員による改善提案制度や長時間勤務削減を通じ退職者増加を抑える。提案内容の主は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の活用で手続き申請のオンライン化によるペーパーレス化、勤務時間短縮を実現。提案当事者は業務効率化に加え、自らの意見が実現することでモチベーションこうじょうにもつながる。退職増加率が最も小さかった鳥取県も働き方改革を進め、県庁の男性職員の育休取得率は2021年度まで3年連続全国トップとなった。
また、「ブラック霞が関」と皮肉られるキャリア官僚の採用後10年未満の退職者は2022年度に177人と5年前の2倍以上に増えた。民間との人材争奪戦も激しくなり、新卒採用の応募者は減少傾向だ。民間が公務員を好待遇で中途採用するケースも増えている。このように地方公務員の離職増は住民生活に直結した行政サービスや地域活力の低下につながる。離職を防ぐ取り組みが人材獲得力の向上にもつながり地域の活性化に影響を与える。
文/島崎淳 (Jun Shimazaki)