いま、新卒入社から数年以内で離職する「第二新卒」の求人が急増している。少子化で新卒採用が難しくなる一方、ミスマッチなどで離職者は増えており新卒採用を軸とした雇用慣行は崩れつつある。
第二新卒の定義は多くの企業では大学卒業後おおむね3年以内の人が対象。24年12月第1週時点の正社員求人件数は約28万件で、「第二新卒市場」が求人件数全体に占める割合は7.2%から9.7%となり1割に迫る規模に膨らんできた。
平均月収の伸びは全求人の3.2%増に対し第二新卒は6.2%増と上回っており、企業が若手を優遇して獲得を目指す姿が浮かび上がる。厚生労働省によると21年大卒入社の3年以内の離職率は35%と前年比2.6%上昇した。企業側は基礎的なビジネススキルを持つ第二新卒は新卒と比べ育成面でコストがかからないという。
一方働き手にとっても転職の選択肢が増え、自身の自己実現目標に向けた活動が人生を変えていくであろう。アパレル業界も景気回復から業界への人材調達に積極的に手を打つべきと考える。
文/島崎淳 (Jun Shimazaki)