<ラグジュアリーブランドって何?>
アパレル用語でよく聞く「ラグジュアリーブランド」という言葉。なんとなくイメージはできるけれど、実際どんなものなの?と疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。
まず、ラグジュアリーの言葉の意味は「贅沢な」、「豪華な」 などを表し、主には高級品や贅沢品などを表現するときに使用されます。
ファッション業界においてラグジュアリーブランドとは、高級嗜好品を売るハイブランドの事を指します。
たとえばルイ・ヴィトンやエルメス、シャネル、プラダ、グッチなど、皆さんも良くご存知の高級なブランドを指しています。
<ヨーロッパの富裕層と深く関係するラグジュアリーブランドの誕生>
みなさんが思い浮かべるこれらのラグジュアリーブランドは、考えてみるとほとんどがヨーロッパのブランドである事に気がつくのではないでしょうか。
これは、ラグジュアリーブランドの成り立ちに大きく関わってきます。
18世紀の終盤、フランスでは王権に反対する全階層の市民によるフランス革命が起こりました。
それによってフランスは民主化の路をたどり、今まで豪遊していた富裕層の貴族が、職人を抱えられなくなります。変わって登場した実業家などの新興富裕層は、新たなステータスシンボルを必要としていました。
その結果、新旧富裕層の嗜好品をつくるためにラグジュアリーブランドが誕生しました。
一例をあげると、ルイ・ヴィトンはもともと、ヨーロッパの富裕層の為のトランク工場として19世紀に誕生しました。
当時の富裕層は舟で旅行をしていた為、トランクは必需品だったのです。
高級な革や防水の生地を使い、職人技で仕立てたトランクは機能的にもデザイン性にも優れており、一躍富裕層の間で人気となりました。
こうして、デザイン性や機能性に加えて、職人の技を備えたものがフランスやイタリアで発達していったのです。
< 例えばどんな企業・ブランドがあるの?>
アパレル業界を志望している場合は特に、ラグジュアリーブランドで働きたい方も多いかもしれません。ラグジュアリーブランドにはどんな企業・ブランドがあるのか、代表的なものを見てみましょう。
◼︎ LVMHグループ(モエ ヘネシー・ルイ ヴィトングループ)
ファッション業界最大手のコングロマリット(複合企業)。
傘下には下記のような4つの業態の組織があり、それぞれのブランドを抱えています。
① ルイ・ヴィトン、セリーヌ、ロエベなどのファッション&レザーグッズ
② モエ・エ・シャンドン、ドン・ペリニヨンなどのワイン&スピリッツ
③ パルファン・クリスチャン・ディオール、ゲランなどのパフューム&コスメティックス
④ タグ・ホイヤー、ショーメなどのウォッチ&ジュエリー
◼︎ ケリンググループ
グッチ、サン・ローラン、ボッテガ・ヴェネタ、ブシュロン、プーマなどを保有するフランスのコングロマリット。グッチグループとして誕生し、PPRグループという名前を経て現在のケリンググループとなります。
◼︎ リシュモングループ
カルティエ、ヴァンクリーフ&アーペル、クロエなどの、ジュエリー、時計、ファッションブランドを傘下に持つスイスのコングロマリット。
その他にもグループに属さない、シャネルやプラダなどの単体ブランドとして存在するラグジュアリーブランドも多くあります。
<ラグジュアリーブランドで働くために必要なこと>
では、ラグジュアリーブランドで働くには、一体どんな要素が必要なのでしょうか。
◼︎ スキル
販売員の場合は、高い接客のスキルが必要です。ラグジュアリーブランドの顧客は高いレベルの「おもてなし」を日常的に受けている人が多く、販売員に要求されるスキルも高くなってくると言えるでしょう。
ラグジュアリーブランドでは、顧客別にお手紙を書いたり、電話をしてお店に呼んだりする事が多くあります。手紙の書き方のマナーや書道などの知識があると重宝されることでしょう。
◼︎ 経験
ラグジュアリーブランドは、百貨店や路面店のお店が多くあります。そのようなショップで働いた経験が役立つでしょう。
また、ミセスやキャリアの顧客も多いので、ミセスブランドやキャリアブランドでの経験も活かされるでしょう。
◼︎ 教養
商品や接客のスキルだけではなく、ラグジュアリーブランドでは高い教養も必要になります。顧客とバレエや観劇などに行くこともあり、文化的な知識が重要です。特に、そのブランドの国の文化や、日本の伝統芸能である歌舞伎や工芸などの知識を身につけると良いでしょう。
<ラグジュアリーブランドで働くことで得られるメリット・デメリット>
ラグジュアリーブランドで働くメリットとしては、やはり世界の最前線に立つブランドの為、一流の世界観やブランド力を体験することが出来ます。また世界的に有名な企業では、ダイナミックなビジネスに関わることができるというメリットがあります。
扱っている商品も一流のものが多いので、審美眼やハイセンスな感覚も養えるでしょう。
デメリットとしては、制服がない場合には、服代やアクセサリー代が多くかかってしまう事が挙げられます。販売員の場合は自社ブランドの商品を身につける機会も多いので、いくら社員割引のきいた価格でも、出費がかかる場合もあります。
ラグジュアリーブランドで働くには、ハードルはとても高いですが、その分やりがいがあります。さまざまなスキルや教養を身に付け、あなたもハイソサエティーな世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。