アパレルショップに行って、「つい、商品を手に取ってしまう」「つい、ショップに長居してしまった」「つい、衝動買いしてしまった」…こんな経験、ありませんか?もちろん商品の力だったり、お客様の購買意欲が左右する面もありますが、レイアウトがもたらす効果も大いにあると言えるでしょう。そんなアパレルショップにおけるレイアウトのお仕事についてみていきましょう。
アパレルショップのレイアウトを作るのは?
アパレルショップのレイアウトに関わる仕事は大きく分けて二つあります。
ひとつは、店舗ショップ内の個別のレイアウトで、主に、ショップで働く販売員が手がけます。もうひとつは、VMD(ビジュアルマーチャンダイザー)といって、ショップのブランドのイメージを表わしながら、ショップ全体を俯瞰して、お客様が見やすく、選びやすく、買いやすいレイアウトを作り上げる仕事です。 いわば売り場づくりのスペシャリストです。
販売員の行うレイアウトは、ショーウィンドウやトルソー、いわゆるマネキンのコーディネートを行ったり、棚やハンガーラック、テーブル、スタンドのディスプレイを変更するなどといった商品のレイアウトが主な業務となりますが、VMDの主な業務はそれよりも広範囲に及び、内外装や什器、照明などといった店舗全体のレイアウトをも行います。
レイアウトの仕事は、全体的なバランスを考えながら、ブランドイメージを表現し、お客様を引き寄せることが目的です。レイアウトひとつで、お客様のショップや商品に対する印象は大きく変わります。レイアウトの仕事は、見た目が重要視されるアパレルショップにおいては非常に重要な業務と言えるでしょう。
見た目を決める2つの要素
一口にレイアウトといっても大きく分けて二つの側面があります。ひとつは、商品のレイアウトで、もうひとつは、店舗全体のレイアウトです。
前者はディスプレイと言い換えることもでき、主に、ショーウィンドウやトルソーを作ったり、棚上にどのように商品を配置するかといった点を考えます。同じ種類のアイテムでも、カラー違いのもの、サイズ違いのものなどがあり、お客様が見やすく、手に取りやすいディスプレイを作らなければなりません。また、商品によってはポップを付けたり、近くに小物アイテムを置くなど、ひと工夫をすることによって商品の売上が変わってくるケースも。そのようなレイアウトについて考えるのがディスプレイになります。
また、後者は店舗全体のレイアウトであり、ショップ全体を効果的に演出し、直接、間接的に購買に繋げていきます。内装や外観でショップのイメージを表現し、商品棚の置き方でお客様に店内を長く見て回ってもらい、鏡やソファを置くことで滞留時間を伸ばしたりします。また、照明などで売りたい商品にスポットをあてるなどしてお客様の心を掴む演出を行います。さらに、レジや試着室などの配置についても考える必要があるでしょう。
商品のレイアウトを考えるには、コーディネート能力だったり、高いファッションセンスが求められます。一方、効果的な店舗全体のレイアウトを行うためには、ショップ全体を俯瞰してみることのできる能力やデザイン能力が求められると言えるでしょう。どちらにも共通して言えるのは、どのようなレイアウトにすればお客様にとって商品が見やすく、選びやすく、買いやすくなるかというように、常にお客様視点を持つことが必要です。
いかに惹き寄せるか
アパレルショップのレイアウトはブランドイメージを表現し、お客様を引き寄せる効果があります。販売員もVMDもより高い売上を出すために、いろいろと試行錯誤を重ね、レイアウトに磨きをかけていく必要があります。また、新しさを打ち出したり、季節感を表現したり、セールなど価格の安さを訴求するためにレイアウトは定期的に変更されるのが一般的です。売り場を作っていくこととはつまり、売上を作っていくことに他なりません。そういった点でも、レイアウトの仕事は非常にやりがいのある仕事と言えるでしょう。