アパレル業界の課題

- アパレル業界ニュース -
2014年08月04日

images

ユニクロのつぎには何が?今後の課題

アパレル業界は流行に左右され、消費者の動向がダイレクトに反映される、いわば生き物のようなもの。めまぐるしく変化する社会でどうやって成長して行くのでしょうか。
現状の課題を見てみましょう。

アパレルの消費が低迷/消費者の成熟

2008年のリーマンショック以降の景気低迷によって、消費者に衣料品の買い控えや低価格志向が出てきました。また、少子高齢化、賃金の低下もありアパレル市場は縮小しています。
また、低価格帯の商品の台頭によって、消費者の「ものを見る目」も成熟して、ニーズも多様化し、ブランドなら売れる時代は終わりを告げました。

そんな中成功しているのは、ユナイテッドアローズなど消費者の多様化したニーズに応えられる企業。国内外のデザイナーズブランドのセレクト事業はもとより、グリーンレーベルリラクシングなどSPA型の自社ブランドの拡大、生活雑貨の充実などさまざまな形態・ビジネスモデルを持つ複数の事業によって、安定成長を遂げています。

流通の構造変化

ここ数年、アパレル業界は今までの製造→問屋→小売という流通構造方式から、ユニクロやGAPのように企画・製造→販売までを一貫するSPAへと構造変化を遂げています。
SPAは中間を通さない自社生産・販売なので、コストは削減され商品を低価格にし、売上げを伸ばす事に成功しています。

アパレルに依存して来た百貨店などの小売りは変化を求められています。

買う場所の変化

百貨店主流だったアパレルの購買。消費者が買う場所も変化しています。SPA型のファストファッションのショップでは低価格の商品が手に入るようになりました。加えて、ネット通販でどこにいても自分の欲しいものが手に入ります。
消費者にはさまざまな買う場所の選択肢が与えられ、同じような商品の競争が激しくなりました。

中国生産の転換期

近年の中国マネーの成長により、中国生産を行っていたアパレルは中国人の賃金高騰による、生産コストの上昇が問題となってきました。さらに、ロットの巨大な欧米ブランドの好調により、小ロットで細かい事を要求される日本のオーダーは中国の工場に敬遠されるようになっています。
中国生産は日本のアパレルの半分以上を占める巨大な生産地。中国で安くモノ作りをしてきたアパレルは転換期を迎えています。

低価格帯のプライベートブランドで成功を収めているイトーヨーカドーが日本生産の付加価値のついた高品質の商品「メードインジャパン」の強化を打ち出したように、低価格競争から脱する方法が必要になりそうです。

デジタルマーケティングへの移行

FacebookなどのSNS, YouTubeなどのデジタルメディアでの広告・販促が当たり前になっている今、日本のアパレルはまだまだ遅れを取っています。

海外ブランドではBurberryが2012年からの秋冬コレクションを生中継でライブストリーミングで配信。ブランドサイトであるBurberry.comの他、各種デジタルメディア(Facebook、Twitter、Google+、YouTube、Instagram、Pinterest)を使ったプロモーションで成功しました。

その後さまざまなブランドがデジタルメディアを活用して集客に成功しています。

海外進出への道

日本のファッションは世界でも注目されており、品質も世界屈指。細かなところまで行き届く商品や、機能性素材の開発等、海外進出の成功のポテンシャルが高い産業です。
まだまだ世界で成功している日本のブランドは少ないですが、ユニクロの世界戦略の成功により、今後より注目が集まります。