グレーダーってどんな仕事?
アパレル業界の服をデザインする仕事の代表選手はデザイナー。
しかし、企業で服を作る場合、デザイナーが一人ですべてを作る事はできません。
一つの服を作り上げるには、デザイナーの他にパタンナーや素材担当、生産管理、その他大勢の様々な技術を持った人々の手が必要です。
グレーダーもそんなデザイン作業の中でとても重要な役割を果たしている職業のひとつ。
グレーダーがいないと、さまざまなサイズの服を作る事ができません。
今日はそんなグレーダーの仕事を紹介します。
レディースもメンズも、多くの服にはサイズがありますよね。
人間の大きさは様々。太った人もいればやせた人もいて、大きな人と小さな人もいます。
時には人によって背や身幅は数十センチ近くも違うため、すべての服がワンサイズしか存在しなければ、売れる顧客のターゲットがきわめて狭くなってしまいます。
様々な人の需要を満たして、より多くの人に服が売れるように、服にはサイズの展開が必要です。
洋服屋さんの棚の服は、XSなどの小さいサイズから、XLなどの大きなサイズが見られると思います。ときには大きなサイズを取り扱うお店や通販などでは、4Lのようなとても大きなサイズを展開している場合もあり、一つのデザインで10近くのサイズが存在するなんてこともあります。
デザイナーやパタンナーがそれら全てのサイズを作るのではありません。
まず一つのサイズのデザイン、パターンを作り、それを元に大小のサイズ展開の設計図を作る。それがグレーダーの仕事です。
グレーダーの仕事の詳細
デザイナーがある洋服をデザインすると、そのデザイン画はパタンナーに引き継がれます。
パタンナーはそのデザイン画を元に、平面から立体の服を作るために、その服の基本となるワンサイズの型紙を作ります。
この型紙はマスターパターンと呼ばれます。
そのマスターパターンから、大小それぞれにサイズ展開した型紙を作って行くのが、グレーダーの仕事です。
ブランドによってサイズ数は違いますが、ひとつの服で3−4サイズ展開する場合が多くあります。
例えばマスターパターンがMサイズの場合、その前後のS, L, LLのサイズの型紙を作る、といった作業がグレーディングです。
ただ丈や幅を大きくしたり小さくしたりするのではなく、作品の雰囲気やシルエットを保ったまま必要な部分を足したり引いたりするので、とても神経と頭を使う仕事です。
また、作る服のタイプによってグレーディングの方法は違ってきます。
例えば、大人の服と子供服の場合。大人の服では、サイズを大きくするのに丈をあまり変えずに幅を出しますが、子供服になると、サイズを大きくするには丈も幅も両方大きくする必要があります。
最近の大手アパレルでは、クレーディング作業を手でひくのではなくCADで行う企業も多いようですね。
グレーディングの仕事の楽しいところ、メリット
グレーディングとはただサイズを大きくしたり小さくしたりするのではなく、作品の雰囲気を壊さずに、シルエットをキープしながらそれぞれのサイズの型紙を作って行くので、とても頭を使い充実した作業です。
また専門性が高く、グレーダー自体の数も少ない為、技術を身に付ければ需要も多い職業です。
独立してフリーとして活躍している方も多いので、アパレル業界でも長く働く事ができる貴重な仕事でしょう。
求められるスキル
グレーディングにはバランス感覚がとても重要。
ときには一つのデザインの服でサイズ展開が10個ある!なんて事も。
サイズが大きくなれば大きくなるほど形が崩れやすくなります。それをいかに美しくサイズ展開してゆくかはグレーダーの腕の見せ所。
バランスの良いサイズ展開を考えて行くには、服の専門的な知識も必要です。服飾系の専門学校で専門的な知識と技術を身につけると良いでしょう。
CADを使う事も多いので、パソコンのスキルもとても重要です。