サプライチェーンの仕事内容

- アパレル業界ニュース -
2014年10月29日

サプライ

売れ行きを読み、発注・在庫を管理 サプライチェーンの仕事

サプライチェーンとは、アパレル企業において、ブランドの売れ行きを予想して、発注・生産数を決めたり在庫を最適化する仕事です。

近年のアパレルではサプライチェーンマネージメントがとても重要視されています。サプライチェーンマネージメントとは、アパレルでの開発・生産・発送・販売などの各プロセスにおいて、在庫量や滞留時間をなくしてコスト削減や経営の効率化を図る事です。

日本のアパレルが急成長した1970年代、服の生産地の多くは日本国内だったため、企画から生産、出荷までクィックな対応が可能でした。電話一本で出荷指示をして、翌日到着が可能な時代でした。
また、この時代は大量生産、大量消費の時代であり、ものがあれば売れるご時世。同じものを大量に作って売れたので、効率よく在庫消化できました。
一方、現在では服の生産地は中国をはじめとするアジア諸地域にシフトしました。海外での生産は、発注から出荷までの納期も長く、海外物流は複雑。通関、船積みなどとても時間がかかり、クイックな対応はできない時代になりました。
また、あふれるトレンド情報によって消費者の好みも多様化し、生産する商品のバリエーションも増え、売れ残って在庫が増えてしまう可能性も高くなりました。

現在のアパレル企業の経営は、いかに効率よく生産・仕入れ・出荷をして的確な時期に売れる商品を店舗に投入し、在庫を効率よく消化するかにかかっています。
それだけに、サプライチェーンの仕事にとても重きがおかれている企業が多くあります。

サプライチェーンの仕事詳細

サプライチェーンの重要な仕事の一つが需要の予測です。
過去の売上、ショップでのPOS入力、営業担当者からの報告などから、今後の売上と在庫、発注数量などを予測します。どのショップでどんな商品が売れているかをデータから分析して、発注数を決めて生産し、投入計画を立てます。
また、各商品の在庫をショップ、倉庫を含めてチェックして、欠品があれば追加発注、他の商品の投入などをします。いくら売れる商品でも在庫が無ければ販売のチャンスを逃します。それを最小限に防ぐため、売れる商品が売れる店舗に潤沢に渡るように計画します。
また、商品の店舗間移動や出荷を担当する事もあります。足りない商品や欲しい商品のリクエストを店舗、MDから受け、倉庫や店舗から他店舗へ移動するアレンジをします。商品の出荷や店舗間移動はとても細かく、クイックな対応がせまられます。

良い点、メリット

サプライチェーンは、ブランドの売上げを作り上げるのにとても重要なポジションで、重要視されます。
アパレルの中ではあまり派手な仕事ではありませんが、経験をつんでスキルをアップさせると、アパレルの他の職種と比べるとお給料の上限が高くなるのも特徴です。
特に外資系のアパレルはサプライチェーンでマネージャー職になると、1~2千万円の年収になる事も。他の業界でも需要の大きい職業なので、その後の転職にも役に立つ仕事です。

大変な点

データの分析が多く、数字がとても細かいために、パソコンの作業が得意でないとしんどいかもしれません。また、常にMDや上層部からデータを要求される事も多いので、クイックな対応が迫られ、忙しい場合も。特にオーダーの時期やシーズンのはじめ等は問い合わせやデータ分析も多く、遅くまで残業する場合もあるようです。

必要なスキル

サプライチェーンに必要なスキルとしては、パソコンの技術はもちろん、高い数値管理能力、データ分析力があります。
また、アパレルの生産や物流の基本的な知識もあると良いでしょう。