ルイ・ヴィトンは、世界中の王侯貴族や上流階級のセレブを顧客に持つ、伝統のあるブランドです。世界の65カ国以上で、460店舗以上を展開しています。そこで働く社員たちは、ただ製品を販売するのではなく、ブランドの魅力と本物の価値を伝えるためのアンバサダー(大使)です。それだけに、ルイ・ヴィトンの社員は、ブランドの名前を背負う誇りを持ち、質の高いホスピタリティを提供する義務があります。今回は、ルイ・ヴィトンの社員の仕事内容や給料について紹介します。
ルイ・ヴィトンが世界で愛される理由
ルイ・ヴィトンは160年以上の歴史を持つ、世界的に知名度の高いラグジュアリーブランドです。デザイナーから職人、店舗スタッフまで全社員が、最高の品質を追求するための「コミットメント」と、最高の仕事をしたいという「情熱」を創業から変わらずに持ち続けています。
●ルイ・ヴィトンの歴史
創業者のルイ・ヴィトンは、16歳からパリでトランク製造職人として見習いを始めました。33歳となった1854年に独立して旅行鞄の専門店を創業。その後、顧客の注文を受けて特別オーダーで製造するためのアトリエを開きました。1867年に行われた万国博覧会で注目されて人気が高まり、現在ではレザー小物だけでなく、アパレルやジュエリーのコレクションも展開するなど、最高級のファッションブランドとしての地位を築きました。
●ルイ・ヴィトンといえば?
ルイ・ヴィトンの製品といえば、シンボルとなっている「モノグラム」や「ダミエ」、「エピ」と呼ばれる人気デザインが有名です。そのデザインは日本と馴染みが深く、「L」と「G」のロゴで構成されるモノグラムラインは日本の家紋を、また、2色のチェス盤柄をしたダミエラインは、日本の市松模様にそれぞれインスパイアされて完成したといわれています。
●ルイ・ヴィトンの魅力
長い歴史の中でルイ・ヴィトンの顧客には、王族や上流階級の貴族、さらにはミランダ・カーやマライア・キャリー、シンディ・ローパーといった海外セレブなどが、こぞって名を連ねています。なかでも、ファンが多いといわれる日本人について、直系の子孫であるパトリック・ルイ・ヴィトンは「日本とルイ・ヴィトンには、伝統を守りつつ最先端の技術を持ち続けるという共通点がある。それに日本人は旅行好きな国民でもある」と語っています。ルイ・ヴィトンのコンセプトは「旅を楽しみ、人生を楽しむこと」であり、そんな哲学が日本人の心を魅了し続けているのかもしれません。
ルイ・ヴィトンのお仕事と給料とは?
ルイ・ヴィトンで働くということは、世界レベルの高いステージで働くということです。決められたキャリアパスはなく、自らが希望するキャリアを選んで形成することができます。
ルイ・ヴィトンでのお仕事はまず、クライアントアドバイザーという販売業が中心です。ブランドのアンバサダーとして直営店や百貨店内の店舗で勤務し、ブランドの独自性や魅力を伝えながらも、ただ製品を売るだけではなく、付加価値を付けて提供できるよう、一人ひとりのライフスタイルに合った提案をしていきます。経験を積んだあとは、エキスパートとして接客・販売のプロフェッショナルを目指したり、店長やトレーナーとして、店舗経営や商品管理などのマネジメントや、人材育成を目指すこともできます。
正社員の平均給与は20万~25万円、賞与は年2回あります。昇給は職種やポジションにもよりますが、年に1回が基本です。研修制度も充実しており、製品知識を学ぶための海外研修やマネジメント研修、ルイ・ヴィトンの文化を学ぶカルチャートレーニングなどが用意されています。近年は海外からのインバウンド需要が増加傾向にあり、英語のみならず中国語での接客も必要とされているため、語学学習補助金制度もあります。
ルイ・ヴィトンで働くために!
ルイ・ヴィトンが求めるのは、お客様のニーズを的確に捉える「分析力」と、ブランド価値を高める「クリエイティブな力」を持った人です。求人に応募する際に、どんなことをアピールすれば良いか、志望動機の参考になる書き方とそのポイントをご紹介します。
<志望動機 例文>
「貴社を志望したのは、これまでにアパレル業界で培った経験を活かして、世界有数のブランドで自分自身の力を試してみたいと思ったからです。ラグジュアリーブランドは他にも多くありますが、私には貴社を志望する特別な思いがあります。製品の質の良さや素晴らしさはもちろんですが、以前貴社の製品を購入した際、接客してくださった店員さんの対応と、その知識の深さに感銘を受けました。同じ販売員として、私も彼女のようにお客様にくつろぎの空間を提供し、一人ひとりのお客様に合わせたライフスタイルを提案していきたいと強く思い、応募させていただきました。」
接客や販売の経験、英語や中国語など語学力に自信がある人は、即戦力で働けることをアピールしましょう。また、ルイ・ヴィトンでは面接を重視した採用を行っています。履歴書を書くだけでなく、志望動機の内容を具体的なエピソードを交えて伝えられると、より説得力のあるアピールができるでしょう。
ルイ・ヴィトンの将来は社員で決まる!
ルイ・ヴィトンは伝統と革新から創られる最高品質の製品で、世界中の人々を魅了し続けています。しかし、長い伝統を維持し、多くのお客様から信頼を得ているのは、製品の力だけではなく、社員たちの豊かな感性とホスピタリティによるものです。ルイ・ヴィトンには「働く人が幸せなら、買う人も幸せになれる」という、考えが浸透しています。まず自分たちから幸せになろうという気持ちがお客様にも伝わることで、ブランドの魅力をさらに高め続けていると言えるでしょう。