百貨店とショッピングセンターの違いについて

- アパレル業界ニュース -
2017年01月05日

プランタン銀座は2016年12月に32年の歴史に幕を閉じました。

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一時代を築いた百貨店の一つです。40代女性の青春を彩った百貨店といってもよいでしょう。
高級服飾品が中心だった銀座の百貨店のなか、若い女性をターゲットにして、フランスから買い付けた雑貨や働く女性に人気の衣料品などを販売していた。全身コーディネートができる体験型福袋や「エッグタルト」などもいち早く販売し、女性たちを呼び込み注目を集めました。
百貨店業界全体の売り上げは年々減少しています。2008年に老舗百貨店であった三越百貨店が伊勢丹百貨店と合併するなど、多くの百貨店が業績不振に悩み、地方の百貨店などは閉鎖や業態変更などを余儀なくされています。
そんな中、ファミリー向けのショッピングセンターなどの勢いが増している状況です。
それでは、そもそも百貨店とショッピングセンターの違いってなんなのでしょうか?
【百貨店とは】
百貨店の定義とは何でしょう?
経済産業省が実施する商業統計調査の基準によれば、
「衣・食・住の商品群の販売額がいずれも10%以上70%未満の範囲内にあると同時に、従業員が常時50人以上おり、かつ売り場面積の50%において対面販売を行う業態」とされています。
また、商業上の統計の違いとは別に、百貨店協会に加盟しているかどうかという事も重要な指標となるでしょう。
仮にショッピングセンターが商業統計調査の百貨店基準を満たしていたとしても、百貨店協会に加盟していなければ”全国百貨店共通商品券”を使用することができません。
お客様の視点で見ると全国百貨店共通券を使えるかどうかが百貨店の定義ポイントとも言えますね。
上記の事から、売り上げのほとんどが衣料品であるルミネやパルコ、丸井、109、ラフォーレといった商業施設は百貨店ではないということになります。
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【ショッピングセンターとは】
ショッピングセンターの定義は日本ショッピングセンター協会によると以下のように定められています。
「ショッピングセンターとは、一つの単位として計画、開発、所有、管理運営される商業・サービス施設の集合体で、駐車場を備えるものをいう。その立地、規模、構成に応じて、選択の多様性、利便性、快適性、娯楽性等を提供するなど、生活者のニーズにこたえるコミュニティ施設として都市機能の一翼を担うものである。」
SC取扱い基準
SC(ショッピングセンター)は、デベロッパーにより計画、開発されるものであり次の条件を備えることを必要とする。
小売業の店舗面積は、1,500㎡以上であること。
キーテナントを除くテナントが10店舗以上含まれていること。
キーテナントがある場合、その面積がショッピングセンター面積の80%程度を超えないこと。
但し、その他テナントのうち小売業の店舗面積が1,500㎡以上である場合には、この限りではない。
テナント会(商店会)等があり、広告宣伝、共同催事等の共同活動を行っていること。
とのことです。
条件だけ見ると百貨店にもあてはまる条件ばかりですが、「ディベロッパーにより計画、開発されるもの」という前提が百貨店とショッピングセンターを分ける大きなポイントです。
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ルミネやラフォーレはショッピングセンターの中でも衣料品の割合が大きいため”ファッションビル”とも呼ばれます。
それぞれの定義を見てきましたが、比べてみると、百貨店は衣食住を総合的に提案する巨大セレクトショップで、ショッピングセンターは商品の販売を軸にした不動産業であることがわかりました。
ファッション業界で働く上で覚えておきたい知識ですね。