バーバリーは、イギリスを代表する老舗ブランドのひとつです。バーバリーでは、店舗での販売スタッフはもちろん、VMD(Visual Merchandising=ビジュアル・マーチャンダイジング)と呼ばれる、ブランドコンセプトを表現して店舗を演出するためのスタッフが重要な役割を担っています。今回は、バーバリーのブランドの魅力や、VMDのお仕事についてご紹介しましょう。
英国王室御用達ブランド「バーバリー」
イギリスを代表するブランドであるバーバリーは、商品や柄など、日本でも定番としてイメージが定着しているものがたくさんあります。バーバリーが人気ブランドになるまでの歴史や定番商品について紹介します。
●バーバリーの歴史
バーバリーは、1856年にイギリスのハンプシャーで小さな洋服の仕立屋から始まりました。創始者であり、ブランド名にもなっているトーマス・バーバリーがハンプシャーのウィンチェスターに開業したのが21歳の時。1891年には本社をロンドンへ移し、ロンドン1号店を出店しました。1919年から、バーバリーはコート・ジャケット部門の英国王室御用達に認定され、その後も歴代拝命されるなど、その高品質で機能的なアイテムは、長きにわたって高く評価されています。
●バーバリーの代名詞
バーバリーの中でも特に有名なアイテムといえば、トレンチコートです。もともとはイギリス人兵士の軍事用として、機能性を考慮して開発された、「タイロッケンコート」が前身です。その後、第一次世界大戦中に、改良を加えて開発されたトレンチコートが英国陸海軍に採用され、将校たちの間で人気となりました。終戦後には、その耐久性や仕立ての良さが評価され、政治家や映画俳優をはじめ、パイロット、冒険家、さらには一般市民まで幅広い層にバーバリーのトレンチコートが浸透していきました。
また、バーバリーといえば、日本でも人気の「バーバリーチェック」と呼ばれる柄があります。キャメル色の生地に黒・赤・白のラインが入ったクラシックチェックとして知られる柄が最も有名で、1924年にトレンチコートの裏地として初めて使用されました。カントリータータンという柄をアレンジして作られたもので、現在はチェックのバリエーションも増え、シャツやカバンなどいろいろなアイテムに採用されています。
アパレル業界で大切なVMDとは?
アパレル業界の仕事の中には、VMDという仕事があります。VMDとは、店舗の売り上げを伸ばすために大切なお仕事のひとつです。
●VMDとは?
VMDとは、上でも触れたように「ビジュアル・マーチャンダイジング」を略したもので、商品化の計画(マーチャンダイジング)を、見える化(ビジュアル)することを指します。簡単に説明するとショップの前を通りかかったお客様に対して、ブランドの持つコンセプトや、商品の企画・意図がひと目でわかるようにするための手法のことです。このVMDを行う職業のことを、ヴィジュアル・マーチャンダイザーと呼びます。
●ディスプレイとの違い
アイテムをマネキンに飾ったり、小物などを並べて店頭やショーウインドウに飾ることを「ディスプレイ」と言います。ディスプレイは、商品が美しく見えるように演出したり、陳列することを指し、どちらかというと技術的な側面が強いと言えます。一方、ブランドの持つイメージを表現しながら、商品の見せ方や配置でお客様の購買意欲を刺激して、売り上げに結び付けるところまで考えるのが、VMDです。そのため、ブランドへの知識や全体のバランス、ファッションのトレンドやターゲット層などについて広く深い見識を見識が必要です。
つまり、VMDは売り上げを上げるためのマーケティング活動全般のことを指し、ディスプレイはそれに基づいて商品陳列を実行することを意味します。言い換えれば、ディスプレイはVMDの一部ということです。
バーバリーのVMDで働きたい!
大好きなブランドの商品に囲まれている職場で働くことができたら、幸せですよね。バーバリーで働いてみたいと考える人は、数あるブランドの中で「なぜバーバリーで働きたいのか?」「バーバリーで働くことで、自分に何ができるのか?」という動機を明確にしておく必要があります。歴史あるバーバリーで働くことの魅力や、VMDに向いている人の特徴についてお伝えします。
●バーバリーで働くことの魅力
バーバリーが長く愛され続ける理由は、年代を問わず幅広く支持されるアイテムが豊富にそろっていることに加え、伝統の中に先進性を取り入れるなど優れたブランディング能力を持ち合わせていることにあります。長年の伝統を守るだけでなく常に先を読む先進性や、優れたブランディング能力を持ち合わせていることにあります。
バーバリーは2011年11月から、トレンチコートの色やデザインなどをインターネットから注文できる「カスタムメードオーダー」をスタートさせました。フィット感や長さを選んだり、イニシャルの刺繍を入れてもらうことで、自分だけのオリジナルアイテムを作ることができます。ソーシャルメディアへの対応にも積極的で、フェイスブックなどにも早い段階から公式アカウントを作り情報を提供するなど、アパレル業界の中でもいち早くデジタル戦略を行っているブランドです。時代に対応する柔軟性などに魅力を感じる人は、積極的に活躍することができるでしょう。
●VMDに向いている人
VMDとして働くためには、ブランドやファッション業界に関する知識なども必要ですが、特にファッションのコーディネートを考えるのが好きな人や、テーマに合わせた空間を演出することが得意な人に向いています。VMDは売り場のプロデューサーのような役割を持ち、自分の店舗づくりが売り上げにつながります。デザインやディスプレイに興味がある人にとっては、とてもやりがいのある仕事といえます。
伝統と新しさを併せ持ち、支持され続けるバーバリー
バーバリーは英国王室御用達の由緒あるブランドとして、世界的に有名です。伝統の良さを大切にしながらも、新しい時代に合わせた先進性を積極的に取り入れることで、160年の長きにわたり、多くの人から支持されてきました。バーバリーのVMDとして働くことは、自分自身の才能やセンスを役立てられるだけでなく、レベルアップにもつながります。VMDの仕事に興味のある人には、とても魅力的な仕事ではないでしょうか。