転職の成功と失敗を分ける大きな要素の一つである「給料のアップ度」。希望の転職先に就くことができ、給料が前職よりも大幅に上がれば、すなわち大成功といっても過言ではないでしょう。給料を希望通りにアップさせるためには、採用担当者への交渉が必要不可欠です。しかし、この給料交渉は、決して簡単にはいかないもの。考えなしに面接で突然交渉を始めてしまうと、かえって悪印象を与えてしまい、採用自体が不利になることも。
まずは給料の交渉をしても良いかどうかの判断を的確にした上で、ポイントを押さえて交渉し、給与額の大幅アップを実現させましょう。
そもそも、給料の交渉はしても大丈夫?
誰しも、転職後の給料が前職よりも下がるという事態は避けたいものです。できるだけ有利な条件で再スタートを切りたいというのが本音でしょう。しかし、ただ闇雲に給料アップを交渉するのは考えものです。なぜなら、給料の交渉をしても良い場合と、してはいけない場合があるからです。
給料の交渉をしても良い場合とは、例えば「転職先が前職と同じ業種」の場合です。同じ業種であれば、業界のことは十分わきまえているはずですし、これまでの知識や経験、スキルをフルに使えば即戦力になることもできるでしょう。このように転職先企業に貢献できる見込みが大きいため、自分から給料交渉をしやすいケースといえます。
一方、「異業種や異職種からの転職」の場合、即戦力にはなりにくいものです。それだけでなく、転職後にその企業で教育の手間をかけることにもなります。すぐに貢献できないだけでなく、一定期間、企業のお荷物的存在になる身でありながら、給与アップの交渉をするのは、場合によっては不遜な態度と取られかねません。よって、異業種や異職種からの転職の場合、給料交渉は基本的に避けるようにしたほうが良いでしょう。
このように、給料交渉をする前には、必ず交渉の余地があるか、自分は交渉するに足る立場かどうかの見極めは非常に重要です。
給料交渉の5つのポイント
では、給料交渉が可能な場合における交渉時のポイントをチェックしていきましょう。
1.「年収いくら」など、希望の額を伝える
給料交渉するときは、必ず希望の額を伝えるようにしましょう。ただ「年収を上げてください」だけではどれくらいの増額を希望しているのかが採用担当者に伝わりません。
まずは転職前の年収を伝えて、それからいくらアップを望んでいるのかを具体的に提示しましょう。
2.貢献できることをアピールする
給料交渉の際、スキルや経験を買ってもらおうとして、必死に前職での実績を評価してもらおうとする人がいますが、それは正攻法ではありません。採用担当者が知りたいのは、「何をしてきたか」ではなく「うちの会社で何ができるのか」ということだからです。
よって、給料交渉時のポイントは、転職先の企業で何ができるのかをアピールすること。具体的にこれだけの案件が取れる、成果を出せると言うと効果的です。もちろん実際に可能なことを伝えましょう。
3.どのような成果を上げれば給料アップが可能なのかを聞いておく
普通、給料の交渉は転職後すぐのアップをねらうものですが、それがむずかしそうな場合には、どれだけの成果を上げれば給料アップの見込みがあるのかを聞いておくのも有効です。その企業の給与制度について深く知ることもできますし、「しっかりと業績を上げてから対価をもらおう」という姿勢は、謙虚だと高評価を得られることもあるでしょう。
また、「これだけの実績を上げた暁には、これだけのインセンティブが欲しい」と伝えるという方法もあります。
4.交渉のタイミングをよく見計らう
給料の交渉において、交渉の内容と同じくらい大事なのが、交渉のタイミングです。ベストなのは、採用担当者から給料の話が出た後。また、二回目以降の面接の後半あたりで、仕事内容や職歴の話を終えてからというのが無難です。
くれぐれも先走って交渉し、給料にばかりこだわる人材だと思われないようにしたいものです。
5.情に訴えるのはNG
「給料が上がらないと転職した意味がない」「子どもが何人もいるので給料が減ると生活が困難」といったような情に訴える交渉は、たとえ本音であってもしてはいけません。一般的に、企業は貢献の見込みがある人材であれば、給料交渉には存分に応えてくれます。ネガティブに捉えすぎず、自信を持って交渉しましょう。
客観的な自己評価を持ちましょう
給料交渉を行う上では、自分の仕事の価値をいかに客観的に評価できるかも、とても重要なポイントです。そのような自己判断ができる能力を持つことが採用担当者に伝わるだけで、優秀な人材だと判断されることもあるでしょう。
交渉の余地があるのかどうかのタイミングを見極めた上で、誠実に給料交渉を行い、給与大幅アップの転職を実現させましょう。