CPFRって何?

- アパレル業界ニュース -
2015年01月31日

CPFRとは

メーカーと小売が協力して販売計画を立てて商品補充をする手法 CPFR

小売業界の話題に上ることの多いCPFR。いったい何のことなのでしょうか。

CPFRはアメリカのウォルマートが中心となって進めてきた製造販売協力の方法で、アパレルメーカーなどの製造業と、百貨店などの小売業が協力して、売上状況の情報を両者でシェアし、今後の製造販売計画を協力して立てて商品を補充する、という手法です。CPFR=シーパーと読み、Collaborative Planning Forecasting and Replenishment の略です。無駄な余剰在庫や商品の欠品による売り逃しを防ぎ、売上拡大を目指します。

次世代の形態 CPFR

かつて、メーカーと小売業の間では、POSレジからのデータなどにより、どの商品がどの店舗でどれだけ売れたか、という過去の販売情報は共有してきました。
しかし、今後のどれだけ売ってゆくのかを予測する未来の販売情報は共有されて来ませんでした。なぜならば、百貨店やファッションビルの小売店では、未来の販売計画には店舗のクローズなどの極秘の情報を含むものであり、その情報をメーカーに渡すことはタブーとされてきました。
CPFRではその壁を取り払って、メーカーと情報共有しようという画期的な手法を取っており、企業間の情報共有を図っています。
企業間の取り組みとしては、メーカー・小売店・システム構築会社からなるCPFR委員会という組織ができ、それらの企業間の情報共有をオンラインでシステムによって共有できる仕組みを持っています。

CPFR委員会が定めるガイドライン

CPFRを推進しているVICSという委員会は、CPFRのガイドラインをつぎのように定めています。
1. 消費者に焦点を当てること
消費者の利益が最大になるように、企業間での情報共有の構築をする。

2. Single Shared Forecast(単一で共有の需要予測)
統一され、共有された情報で、需要の予測をすることを指します。

3. 物流やシステム上発生する様々な制約を、各企業が取り除く努力をすること
また、その際に生じるリスクはお互いに共有し合い、作成した需要予測に関しては各企業が 持つこと。

VICSが設立した1998年以降、300以上の企業がCPFRに参加し、最大級の40%程度の在庫削減率を実現しています。

CPFRは現在では小売業、家庭用品、アパレル、パッケージ消費財などのリテールビジネスを超えて、ハイテク業界や化学業界などにも波及しています。

CPFRとSPA

アパレル業界ではCPFRの、「店舗の売上情報をダイレクトに生産計画に活かす」という考え方と一部似た形態の、SPAという業態があります。SPAでは服の製造から小売まで一つの企業が一貫して行うことによって、売り場の売上情報やお客様からの声をダイレクトに生産計画に反映させる事を実現しています。それによって売れ筋商品のクイックな追加や、過剰な在庫をなるべく持たないような生産計画、売れ残りは適宜セールにかけて消化するなどの効率的な生産、販売の仕組みになっています。
アメリカのGAPが始めた業態で、日本ではユニクロなどが有名です。

無駄の少ない生産計画は、メーカーにとってだけでなく、生産の効率化による生産原価の低下など、消費者の満足度にも繋がります。ユニクロの成功は生産の効率化も一つの勝因でしょう。

メーカーや消費者、ひいては地球にも優しい無駄の少ない生産・販売形態。今後の動向に注目したいですね。