CRMの仕事内容

- アパレル業界ニュース -
2014年10月29日

CRM

CRMって何だろう

アパレルでCRMとは良く聞く単語ではないでしょうか。しかし、「CRMっていったい何?」と聞かれると、自信を持って答えられる人はそれほど多くありません。
CRMとは、Customer Relationship Management(カスタマー リレーションシップ マネージメント)の略で、「顧客の長期価値を最適化するための、顧客を選択・管理する経営戦略」です。一見難しいですが、簡単に言うと、顧客の管理と戦略。今自社ブランドにどんなお客様がどれ位いて、それぞれどんなタイプ別のアプローチをしたら効果的なのか、そして顧客を増やし、長くお付き合いできる戦略を考えます。

かつて日本のアパレルは大量生産、大量消費の産業でした。そのため、売れる商品ばかりを大量に作っていればどんどん売れたので、現在ほどマーケティングや顧客戦略は必要ありませんでした。
ところが、現在では顧客の消費動向は多様化し、顧客のニーズに合わせたone to oneの顧客戦略が必要になりました。

CRMの仕事詳細

アパレル企業においてのCRM仕事内容ですが、まず顧客のデータ管理と分析が主な仕事です。また、それぞれのタイプ別の顧客に対して、効率の良いDMを作ったり、カスタマーケアイベントを企画したり。企業によってはクレーム対応をする場合もあります。

顧客データの収集と分析はCRMの最も重要な仕事です。
既存顧客と新規客の割合や、顧客の年齢やタイプ、顧客別の年間の購入金額や内容などあらゆるポイントから顧客の購買動向のデータを収集し、分析します。
分析した内容から、顧客タイプ別アプローチ方法を考え、実行します。
重要なのは、注力すべき顧客を選定して、そこに集中投下すること。どのような人々がブランドに沢山のお金を使ってくれるかを細かく分析して、どうアプローチすべきか考えます。

アプローチの方法は色々ありますが、代表的なものはDMとメールによるアプローチです。顧客のデータ分析にもとづいて、的確な顧客に的確なDMやメールを出します。
例えば、過去の買い上げの履歴から年間100万円以上の買い物をしてくださったお客様のみに、VIPイベントの招待のDMを送る、などのターゲット設定と送るDMの種類の選定をします。

また、顧客向けのイベントやプレゼントなどの販促企画なども担当します。クレジットカード会社と提携して、そのカード会社のお客様を新作の発表イベントに招待して新規顧客を開拓したり、限定期間のキャンペーンとしてお店に来てくれたお客様にプレゼントを用意したり、企画も様々です。

また、ラグジュアリーブランド等では特にVIP顧客のケアをする部署もあります。VIPのお客様を招待しての特別イベントや、個別の商談、ディナーなどのおもてなしにおつきあいする場合もあるようです。

良い点、メリット

CRMでの顧客の細かなデータ分析によって、アパレルの顧客の傾向、消費動向が分かり、他のブランド、企業でも重宝されるでしょう。アパレル企業以外でもCRMを重要視している企業は多くあり、他の業界企業への転職にも有利といえます。

大変な点

CRMの仕事はデータ分析が多いので数字やエクセルの作業が好きでない人にはつらいかもしれません。大きな企業になるほどデータの量も膨大。分析する項目も多くなるので、忙しい職場も多いようです。
また、ラグジュアリーブランドなどではお客様と直接関わる場合もあり、気疲れする事も。

必要なスキル

アパレルのCRMに特に必要な資格はありませんが、パソコンスキルは必須です。また、データ分析力、マーケティング力、新たなアイディアを提案する力などが必要でしょう。