NB・PBって何?

- アパレル業界ニュース -
2014年09月21日

プライベートブランド PB(プライベートブランド)がすごいことになっています。
イトーヨーカドーは「goodday」などのPBをいくつも抱えていますが、2012年以来、それらのPBは東京ガールズコレクションに参加し、「スーパーのブランドがTGCに?!」と話題になりました。
他にもPBとして、益若つばささんとコラボしたスウィムウェアーや、AAAとのコラボの浴衣等、安くてかわいい商品を次々と発表して好評を得ています。

また2014年には。縫製を日本で行う「メード・イン・ジャパン」のアパレル商品を強化すると発表しました。
低価格帯のブランドが中国生産メインになっているなか、あえて日本製を取り入れようとするイトーヨーカドー。どんな意図があるのでしょうか。

プライベートブランドとナショナルブランドって?

そもそもPB(プライベートブランド)とNB(ナショナルブランド)とは一体なんなのでしょうか。

PBとは、スーパーや百貨店等の小売店・卸売業者が企画・販売する独自のブランドのこと。セブンイレブンの「セブンプレミアム」や、イオングループの「TOPVALU(トップバリュ)」など、スーパーなどが自社で企画して売っている少し安めの自社製品のブランドの事です。商品の種類は様々で、食品・日用品・衣料品・家電製品等です。

またNBとは、メーカーが商品につけたブランドのことで、広く国民(消費者)に知られていることが多く、全国どこでも入手できることなどから、国民的な(ナショナル)ブランドと呼ばれます。多くのアパレルブランドもその一つです。PBの対義語として用いられています。

なぜPBか

消費者にとってPBはナショナルブランドとほぼ同品質の製品を、より安価に購入できるメリットがあります。また、販売側は宣伝費用やや中間マージンが浮くため、利益率がナショナルブランドより高く、商品の仕様変更もしやすくお客様の声をより反映した商品を作れるメリットがあります。

どのスーパー・百貨店でも買え、差別化のしにくいナショナルブランドよりも、自社でコントロールできるPBが増えたのにもそんな理由があります。

アパレルPB

アパレルのPBも近年比率が高まっています。UAやBEAMSなどのセレクトショップも良い例です。セレクトショップは様々な外部のブランド商品をセレクトして置いていますが、PBのバリエーションがどんどん増え、新たなレーベルを出してきました。ブランドイメージの良いセレクトショップであれば、買う側も安心して低価格なPBを買える良い例でしょう。


もともと、PBはNBと同じような製品開発をし、より低価格に設定する事によって、両者を選ばせて安い方を買ってもらう戦略で、いわばNBのブランド力を利用したブランドです。
よって、選ぶ選択肢であるナショナルブランドが同じ売り場に無いと効果はありません。PBとNBの共存は販売店にとってなくてはならない要素です。

安くて買いやすいPBですが、顧客側も安さだけのPBでは売上げが伸びないため、商品の差別化が求められる転換期になりました。

イトーヨーカドーは日本製の高付加価値商品を作る事によって差別化をはかり、カジュアル衣料の「ユニクロ」など専門店に流れた消費者も奪い返す狙いです。

今後のPB

日本より10年以上進んでいると言われているヨーロッパのPB市場。PBの多様化が進み、より高品質の商品が多くなっているようです。日本のPBも転換期に来ている今、高品質・差別化が今後のポイントになっていきそうです。