2014年の倒産件数の集計が出ました。
倒産件数は9731件(前年比10%減)と、24年ぶりに1万件を下回ったのと、上場企業の倒産が1件も無かった特異な1年となりました。
しかし、その中身を見ると「円安」関連倒産は282件と2倍に増え、「人手不足」関連倒産も前年比14%増の301件が発生しています。
この2つの要因は、正にファッション業界の直面している問題であり、特に後者は人材エージェントである我々も肌でひしひしと実感しています。
東日本大震災の復興需要もあって、2011年後半から人手不足という声はありましたが、アベノミクスによって急速に雇用が拡大しました。
そして2014年は雇用情勢の劇的な改善が見られ、12月には完全失業率3.4%、有効求人倍率1.15倍を記録し、これらもバブル期以来の高水準です。
バブル崩壊後の失われた20年に潜んでいた人口減少の問題が、経済が上向いた結果、一気に顕在化して、労働集約型産業であるファッション業界の「成長制約要因」になっています。
解決策としては、いかに既存社員を繋ぎとめるか、現場の生産性を上げるか、新規に業界に人を流入させるか、の大きく3つになりますが、いずれにしても待遇や賃金を改善していく必要があります。
まずは「既存社員の繋ぎとめ」ですが、単に賃金を上げるという事ではなく、強制的な社販を止めるだけで可処分所得は上がりますし、やはり離脱原因になっている土日の公休を取れないというのも、
ローテーションで徐々に増やしていけば、就業意欲も継続させられるのではないでしょうか。
よくいわれるキャリアアップが出来ない、キャリアビジョンが描けないという理由での退職は、それほど多くないように感じます。
パートナーや家族と一緒に過ごすプライベートの幸せを今の仕事を継続しながら実現できるかどうかが鍵だと思います。
まず仕事がある。次は仕事の中身。ここまではニーズを満たしています。
そして、その仕事の賃金が満足のできる生活水準を維持できるか、となります。
現状、ファッション業界から人材の流出が続くのは、賃金と勤務時間、休日がニーズを満たしていないからではないでしょうか?
結婚や出産を機に、他業界へ移る人も少なくありません。
残念な事に他業界から逆パターンでファッション業界入りする人は皆無です。
ファッション業界出身の主婦で環境が許せば現場復帰をしたいという声も聞くようになってきました。
そろそろ時短社員や土日公休の販売スタッフの雇用フレームを作る時期に来たと思います。
次に「現場の生産性を上げる」という事ですが、現状の人員で稼ぎ出す付加価値(粗利益)を増やす事になるので、欠員補充の必要性が無くなるかもしれませんし、既存社員の待遇を改善できます。
何より、稼げる仕事になれば、他業界から優秀な人材も呼び込めます。
「どうやって生産性を上げるか?」というのは、日本のサービス業、小売業全体の課題ですが、あらゆる「物事」を見直すのは、さほど重要でなく、ほぼ人材の問題(評価基準を含めた)と言い切って良いと思います。
既存社員に対しては、徹底的に教育を施し、潜在能力を引き出す。
新たに中途採用する人材は、思い切って待遇を上げて、他業界に従事している「生産性を引き上げてくれそうな」優秀な人材を採りに行くべきです。
3つ目の「新規で業界に人を流入させるには」ですが、生産性向上策で、待遇を上げて他業界から優秀な人材を採るという案を言いましたが、業界の将来の人材基盤の形成という意味で王道なのは、新卒採用の強化です。
既に専門学校卒や大学卒の新卒採用に取り組まれている企業は多いですが、会社の規模や待遇など気にせず、業界に純粋に憧れて入社してくる高校新卒も戦力としては引けをとりません。
情報流通量や処理量が爆発的に増加した昨今、知識レベルで高校新卒が業務に支障を来す事は少なく、社会性や実務経験の不足分を補って余りあるほどの素直さや伸び代といった魅力があります。
以上、3つのプランは我々、人材エージェントがお手伝い出来る領域にあります。
・主婦の労働力をファッション業界向けに人材派遣や人材紹介のサービスを通してアレンジし提案する事が可能です。
・他業界からの優秀な人材の誘導は、人材エージェントとしてコア業務になります。
・高校新卒を我々の正社員として雇い入れ派遣する(正社員型派遣)サービスを展開しています。
ファインズ東京は、ファッション業界で活躍できる可能性のある方をあらゆるチャンネルから業界へ誘導しています。
人材採用でお悩みの企業はもちろん事、求職者の方にとっても望んでいた待遇でファッション業界へ入る(戻る)チャンスですので、一度、弊社に相談にお越しになられてはいかがでしょうか?
業界屈指の人材コンサルタントが的確にアドバイス致します。