不景気になるとお菓子や駄菓子が売れ出すって知ってました?
手頃なレジャーらしいです
確かにお菓子を食べてる時って楽しい気分になりますから、解る気がします
総合スーパーや専門店ビルによく入居している昔懐かしの駄菓子屋さんを再現したお店も大繁盛ですし
そういう話を会社でしていたら、地元(大阪市城東区野江)にあった駄菓子屋のたぬき屋を思い出しました
正式な店舗名は豊文堂なんですが、店先に大きな木彫りのたぬきが置いてあったので、誰かがそう呼びだしたんだと思います
たぬき屋はおばちゃんが経営していて、小学校(大阪市立榎並小学校)の帰り道にあり、駄菓子から文房具までを品揃えした近所の子供には欠かせない店だったんです
その中でも私は、その日貰ったお小遣いを完全に使い果たす上客でした
とは言っても、50円が客単価の世界!仮に100人来ても¥5,000ですから殆どボランティアですよね
小学校で進級して担任は変わっても、おばちゃんは変わりません
6年間「放課後の担任」みたいなものですし、実際毎年の卒業式には父兄に交じって一番後ろの席から皆の成長した姿を見つめていました
何しろ、自分の飼い猫が死んだ時に1ヶ月間寝込んだおばちゃんですから、物凄くやさしいんです
そして中学生になると自然とたぬき屋から卒業していきますが、たまに前を通ると絶対に声をかけてくれるんです
でも、年齢とともに徐々にたぬき屋の前を通らないライフスタイルに移行していきます
そして思春期を通り過ぎると、たぬき屋もおばちゃんも記憶の深いところに押し込められていきます
それから20年位経って、ある平日の昼間、久しぶりにたぬき屋の前を車で通るとシャッターが降りた状態でした
シャッターが開いていれば気にもならず、通り過ぎたと思いますが
「臨時休業かな?」
ちょっと心配になったので、車をバックさせて店の前につけると張り紙がありました
「たぬきのおばあちゃんは、天国に行きました。おばあちゃんはいつも皆の事を気にしていましたよ。これからも皆の事を天国から見てますよ。それでは、また会う日まで」
涙が止まりませんでした
当時乗っていたベンツを横付けして、窓から顔だけ出した状態で泣いていたもんですから、近所の人が変な目で見ていましたけど、お構いなしです
今でも、ああいう店はあるんですかね?必要だと思いません?子供のオアシス
今ぐらいのシーズンになると小遣いの賃上げに成功して、たぬき屋で贅沢してたな~
大切な思い出です